邪推とは&類義・対義語、使用例 – ポップな国語シリーズ

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邪推(じゃすい)とは:ひねくれた心から悪い方向に推測すること

「邪推」の類義語

  • 勘ぐる
  • 疑う
  • 疑心を抱く
  • 疑念を抱く
  • 不審に思う

「邪推」の対義語

  • 素直に受け入れる
  • 素直に聞き入れる
  • 信じる

今回は女子慣れしていない男子たちのとある一日を見ながら、「邪推」の適切な使い方を学んでいきましょう。




1. 他人の言動の意図をいちいち邪推してしまうクセがある

朝8:03、通勤電車の車内。内藤君はひどく緊張していた。かねてから憧れていた隣の駅で乗り合わせてくるOL風の美女が三日連続で内藤君の右隣に立ったのだ。

美女は右手に持ったスマートフォンを見下ろし、長い亜麻色の髪が邪魔にならないように左手で掻き上げ、耳にかけた。美女は、ちょうど左の耳元が内藤君に見える形で髪を抑え続けた。

内藤君は考えた。

「こ・・・これは・・・!!!そんなお綺麗なお顔をおれがしっかり見えるようにするなんて・・・おれがあなた様に気があることを存じてらっしゃる!!!??

いやそんなはずは・・・でももう5秒もずっと濃艶な耳元が露わに・・・あぁぁぁもう7秒も露わにしてらっしゃる!!」

ここまでならよくいる女性を意識しすぎな普通の残念男子だ。しかし内藤君の残念さはこの程度にとどまらない。

「いや、待てよ。もしかしたら美女はその気もないのにおれを誘惑し、おれの荒くなっている鼻の息遣いをリッスンしながら内心このおれという、男という哀しい生き物をクスクスあざ笑っているのでは!!

くそっ!あなた様の思い通りには行かないぞ!その魅惑の耳元から目を逸らしてやる!

行くぞ!3!2!1!0.9!0.8!0.75!くそぉぉぉぉぉ

そうやって今日の大切な会議のために充填しておいた集中力を根こそぎ吸い取る気だなぁぁぁぁ

はっ!!さては競合企業からおれの活躍を阻むためにけしかけられた企業スパイか!!

許さん!!その不敵な笑みを浮かべたお口を閉じろ!!この悪の手先mお口もSEXYYYYYYY!!!!

美女は友達とのLINEチャットを純粋に楽しんでいるだけであったが、男子脳をフル回転させる内藤君の邪推は止まらない。

「わかったぞ!!次の駅に着く直前でその見目麗しいお口から発するエンジェルボイスで『いつもあなたが持っているたくましそうなカバンの中に入っている企画資料を次の駅でちょっとお見せいただけないかしら』とか言っておれの全社電球総替えプロジェクトの全容を暴くつもりなんだろう!!総務部のプライドにかけてそうはさせないぞぉぉぉぉぉ!!!!

来い!エンジェルボイス!!返り討ちにしてやる!!『お嬢さんに頼まれたら私の全てを晒してしまいそうだ。お断りさせていただくよ、はっはっは』と爽やかな紳士風に返り討ちにしてやる!!がーーーはっはっは」

邪推深い内藤君の予想とは裏腹に、美女は次の駅で普通に下車したのだった。


善意の、もしくは悪気のない行為に対して余計な疑いを持つことを邪推と言います。

 

例文: 他人の言動の意図をいちいち邪推してしまうクセがある。




2. 相手が何か策略を実行していると邪推してしまうほどの一方的な試合であった

聖メアリー高校は男子校であるために勉学のみならずあらゆる部活動において学生同士の競争が激しい。テニス部もその例外ではなく、実力によって部員は一軍と二軍に振り分けられる。

テニス部員たちのやる気はすさまじいものがある。なぜなら、一軍に選ばれし8名だけが、姉妹校である清ジョアン女子学園と親善試合ができるからである。

一軍入部トーナメントで勝ち残り、晴れて一軍入りを果たした学園上位8名のテニス男子たちが、今日、念願の親善試合に挑む。

彼らはこれまで、一軍入りという大いなる目標のために青春の全てを練習に費やしてきた。つまり女性と触れ合うなどという時間を作ってこなかった。今回の親善試合が同世代の女子との生まれて初めての接点だ。

試合開始前、ルール確認をするためキャプテン同士の打ち合わせから斎藤主将が帰ってくると、緊張した面持ちの部員たちは彼を取り囲んでこう聞いた。

「ど、どうでした?キャプテン!」
「・・・いい匂いだった」

部員たちはその答えにざわめいた。

テニス部の生真面目エース、谷君はキャプテンに聞いた。「キャプテン!ル、ルールはどうなったのでしょう!」

「あ、ああ。それか・・・みんな、落ち着いて聞いてくれ。試合後、なんと・・・清ジョアン女子テニス部と・・・懇親会を行うことになった」

その一言に部員たちは一様に頬を赤く染め、想像力豊かな者はその先の超展開を瞬時に超妄想し、立ちくらみを起こした。

「だが、ひとつ注意点がある。我らが男子テニス部の方が身体能力的に有利であることは事実だ。そこで、『女子部が万が一勝ったら、マクドナルドでの懇親会では男子が女子におごってくれたらうれしいな☆』と、いい匂いのお姉さんが言ってました」

一同はこの提案の意味を考えた。一人あたり二人分の食費を払うということは、育ち盛りの男子にとって何を意味するのか。通常、彼らのお腹はハンバーガーとポテトのセットを頼んだ上にもう一品か二品頼まなければ満たされない。しかし負けて罰ゲームを受け入れれば、その分量にさらに人間もう一人分の食事を注文することになる。それはできない。なぜならお小遣い予算オーバーなのだから。

斎藤君は言った。「我々は学生の身分で人様におごるなどという金は持ち合わせていない。だからなんとしても勝つ。そして罰ゲームなしで・・・じょ、女子とお近づきになる!!これはただの親善試合ではない!男子校に通う全国の男子学生を代表して、彼女ができないという男子校高校生の宿命を打ち破るための聖戦である!!心してかかれ!!!行くぞ!!」

男子部員たちは円陣を組み、未だかつてない結束を確かめ合った。

・・・

しかし彼らの決意の強さとは裏腹に、聖メアリー高校男子部員たちは苦戦を強いられた。

テニス部実力3位と4位の矢口君と立花君は清ジョアン女子学園のダブルスチームに手も足も出ないでいた。二人は同一の魔物と戦っていた。

「あ・・・あれが・・・スコート!!!!」

二人はヒラヒラ揺れ動くそれを直に目にしたのは初めてだった。見えそうで見えない神秘の秘宝を前にして、身体中の神経という神経が両の目に力を集められ、相手がサーブをするたびに、少し走るたびに、男子の視線が一点に集中してしまうのは、もはや必然だった。

こうなっては、練習通りの立ち回りも冷静な判断も何もできない。

矢口君と立花君は「くそぉぉ女子め!わざとそんな世にも素晴らしいお召し物を着てきておれたちを惑わせて・・・・クオーターパウンダーをおごらせるつもりなんだな!!!!!」と、女子チームが自分たちの戦力を削ぐための作戦を展開していると邪推した。なぜなら、彼女たちにその意図があったとすれば、効果はてきめんだったからだ。(ちなみにスコートは女子たちの普段のユニフォームであるため作戦も何もない)

女子チームがサーブを打つ。スコートが揺れる。男子たちはガン見する。サーブがネットを越える。男子たちは棒立ちする。サービスエースが決まる。その日、5面全てのコートにおいて、この一方的な試合運びで女子チームがことごとく勝利を収めた。

・・・

その午後、マクドナルドで懇親会が開かれた。財布を空にした男子たちであったが、女子たちと少し打ち解けることができ、満足感が満面の笑みに表れていた。


普段接点のない人と相対すると、つい、相手に悪意があるのではと邪推してしまいがちになることがありますよね。

 

例文: 相手が何か策略を実行していると邪推してしまうほどの一方的な試合であった。




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