英語で議論する研究者が使う実用文例集23選!音声付き

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「議論」とは英語で: discussion。

他にもdebateやdiscourseなど、場合によっては適切になる同義語もありますが、たいていの場合はdiscussionが最も適切です。

アカデミックな場ではたとえば以下の例文にあるように、主に「have」や「hold」といった動詞と共に使われます。

1. I was having a discussion with professor Kraig the other day and it really helped me put together my thoughts.

この前クレイグ教授と議論していて、おかげで考えがスッキリまとまりました。

2. With the time remaining, we will now hold a discussion on the following theme: the ethics of bio-engineering.

では残り時間の中で、これより「生物理工の倫理」というテーマについてディスカッションを行いたいと思います。


「議論」の英語がわかったところで、研究者が英語で議論する時に知っておくべきことに話を移します。

留学生がいるゼミで、様々な国から研究者が集まる学会で、研究者が英語で議論する機会は少なくありません。普段から論文を英語で読み書きするものの、それと議論で発言するのは全く別のスキルですよね。

研究者は日々論文を読んでいることから英語のインプットは豊富ですが、特に口頭でアウトプットすることに慣れていない傾向があります。言いたいことはたっぷりあるけど話の切り出し方がわからなくて発言できずじまい、ということはありませんか?

今回は英語での議論を通して考えを主張したり意見したりする上で絶対必要なフレーズや立ち回り方を、優先順位をつけてご紹介します。みなさんが持っているスキルと照らし合わせて、抜け漏れがないか確認してくださいね。


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1. 発言のチャンスを自分で作る方法

たとえどんなに素晴らしいアイディアがあってもそれを表に出さなければ誰の関心も引けません。そしてたとえそのアイディアを言葉で表す英語力があったとしても他数名が白熱した議論を繰り広げる中自分で発言の機会を作ることができなかったとしたら?議論の場において発言ができないということは何も考えていないも同然です。

ということで議論に参加する上で一番大事なことは、自分に発言のターンを回す方法を知っていて、なおかつ実行できることです。具体的にどうやるのかというと、以下の2つのステップを踏みます。

  1. 相手の発言に対して相槌を打つ
  2. すかさず自分の意見に話を持っていく

たったこれだけですが、これができなければ話になりません!

以下の下線のフレーズを声に出して何度も反復練習して、「今だ!」と思った時に口から無意識に出てくるような状態まで仕上げておきましょう。

“発言のチャンスを自分で作るための英語表現”

That’s interesting. The way I see it, progress in the field of cancer diagnosis is more important than developing a cure for cancer.

それは面白いですね。私が思うにがんの治療法を開発するより、がん診断の分野の発展の方が重要です。That’s a good point. As you have just said, I also agree that dialysis methods should be focused on more.

ごもっともです。今仰られたように、私も人口透析技術はもっと注目されるべきだと思いますThat’s true. According to research, it is said that the human brain filters out information that are deemed irrelevant.

その通りです。ある研究によると、人間の脳は自分と無関係と思われる情報は除去するそうです。20-1

相手の発言の合間に相槌をスッと入れてその流れで自分の意見に話を持っていくテクニックです。簡単なフレーズに見えるかもしれませんが、かなりいい慣れていないと実際の場面で出てこないので、しっかり反復練習しておいてください。

2. 相手の発言が聞き取れなかった時の対処法

国際学会に参加したり多国籍のラボに所属しているとわかることですが、人によっては英語を話すスピードが速かったり、発音が独特で聞き取りづらかったりします。理解しているフリをしてふんふんうなずいていても、話にどんどんついていけなくなって、発言するどころの状態ではなくなってしまいます。

一番の対処法は場数を踏んで様々な国の人の発音や話し方に慣れることですが、そのような経験が豊富でなかったとしても諦めることはありません。聞き取れなかったら、必ず聞き返すクセをつけましょう。

相手に自分が聞き取れていないことを伝えなければ、相手はいつまでも同じペースで喋り続けてしまいます。「あっ聞き取れなかった」と思った瞬間、以下のフレーズを使ってすかさず聞き返しましょう。

“相手の発言が聞き取れなかった時のための英語表現”

Sorry I didn’t quite catch that. Could you go over that again a little more slowly?

すみません、今のところよく聞き取れませんでした。もう一度ゆっくり説明してくださいますか?Sorry, I’m afraid I’m not following you. Could you rephrase that more simply?

すみません、ちょっとついていけていません。簡単な英語に言い換えていただけますか?Sorry, English is not my best language. Could you explain that for me one more time?

すみません、英語は苦手なもので。もう一度説明していただけませんでしょうか?

仮に、30%くらいの理解だったところ、相手に言い直してもらったことにより理解が70%まで上がったとしましょう。後々になって実は思い違いをしていたなんてことがあればまたそれまでの議論が無駄になってしまいます。念のため自分の理解が正しいか確認するために、以下の下線のフレーズを使いましょう。

“自分の理解が正しいか確認するための英語表現”

So do you mean more budget should be spent on developing cancer diagnosis methods?

つまりより多くの予算をがん診断技術の開発に回したほうが良いと仰っているのですか?So if I understand correctly, are you saying more budget should be spent on developing cancer diagnosis methods?

私の理解が正しければ、つまりより多くの予算をがん診断技術の開発に回したほうが良いと仰っているのですね?

「あまり聞き返しすぎては申し訳ない・・・」そう思うこともあるでしょう。でも聞き返さずに理解しているフリを続け何も発言しないのならば、その場にいる意味もないのではないでしょうか。それに、聞き取れないのは何も英語力の差が問題であるとも限りません。英語が話せても、伝えるのが下手な人は国籍を問わず沢山いるのですから。

コミュニケーションが上手い人は、相手が誰であろうと、話題が何であろうと、みんなが理解出来る言葉で喋ります。みなさんが聞き返した後も相手の言っていることがわからないのだとしたら、半分は自分の英語力の問題で、もう半分は相手のコミュニケーション能力の低さです。




3. 相手の意見に反論する時のフレーズ

反論する時に「この言い方は失礼にならないだろうか・・・」と脳裏によぎってしまうと、発言のタイミングを逃してしまいがちです。以下の下線のフレーズを使えば絶対に失礼にはならないので、自信を持って自分の考えを言いましょう。

“反論する時に失礼にならない英語表現”

I’m afraid I can’t agree to that. I don’t think it’s fair to say that individuals are to be blamed entirely for developing non-communicable diseases.

私はその意見に関しては反対です。非伝染性疾病はすべて個人の責任とは一概に言えないと思います。You may be right, but I have a slightly different point of view. I don’t believe we can entirely blame individuals for developing non-communicable diseases.

それはそうかもしれませんが、私は少し違った意見です。非伝染性疾病はすべて個人の責任とは一概に言えないと思います。I see what you’re saying, but I don’t think we should entirely blame individuals for developing non-communicable diseases.

仰りたいことはわかりますが、伝染性疾病はすべて個人の責任とは一概に言えないと思います。20-2

これらのフレーズを覚えておけば、失礼のない言い方ができるので自信を持って反論することができますよ。

4. 発言にプラスしてわかりやすくする方法

もし自分の分野外の人に自分の研究をわかりやすく説明したいと思ったら、どういう話し方をしますか?専門用語を連発してしまったりすると、途端に相手は話に置いてけぼりになってしまいます。

そうならないためにも、例や専門用語の言い換えなどを用いて話を簡略化する英語コミュニケーションが必要です。以下の下線のフレーズを使って、要点ごとに情報をプラスするクセをつけましょう。

“発言にプラスして説明をわかりやすくするための英語表現”

There are several ways to locate tumors. For example, you can find them using bio-luminescence.

がん細胞を見つける方法はいくつかあります。たとえば、生物発光を使って発見することができます。There are several ways to locate tumors. For instance, you can find them using bio-luminescence.

がん細胞を見つける方法はいくつかあります。例として、生物発光を使って発見することができます。You will be surprised and shocked if you find out how many people are not adequately computer-literate. This is similar to finding out how many people drive on roads without knowing all the traffic rules.

コンピューターの使い方を十分に理解している人の実際の数を知ったらきっと驚かれると思います。交通ルールを完璧に理解せずに公道を走っている人が大勢いることを知るのと同じようなことです。Ergonomics, or in other words the coordination of design with capacities and requirements of the worker, is an important concept of design. 

人間工学、わかりやすく言い換えるとデザインと人の処理能力とニーズとの協調のことですが、これはデザインの重要な概念です。

人によって理解しやすい伝えられ方は異なります。だから、異なる伝え方の引き出しをいくつか持っておくことが大事です。

5. 部分的に同意を示す方法

議論の醍醐味は、多様な考えを持つ人同士がお互いに無い発想や意見を出し合うことで参加者全員がより広い視野を得ることです。他の参加者からの意見の一部に対して同意を示しつつも、自分独自の考えも共有したいと思うことは少なくないはずです。そんな時は以下の下線のフレーズを使いましょう。

“相手の意見の一部に同意を示すための英語表現”

Studying viruses will help to create vaccines in the future and may prevent pandemics. In that sense, I agree that we should conduct research of potentially dangerous viruses. But I still think handling them in labs is risky.

ウイルス研究は将来的にワクチンの開発を助けパンデミックを防ぐことにつながります。そういう意味では、危険性の高いウイルスを研究することに賛成です。ですがそれでも、研究所でそのようなウイルスを扱うのはリスクが高いと思います。In terms of taking preventive measures against pandemics, I agree that we should conduct research of potentially dangerous viruses. But in terms of risk, I still think handling them in labs is not a good idea.

パンデミックの予防対策という観点からは危険性の高いウイルスを研究することに賛成です。ですがリスクの観点からは研究所でそのようなウイルスを扱うのは危険だと思います。

このようにどの部分に対して同意・反対なのかを表すことで、議論の他の参加者に対して自分の立ち位置をより明確に示すことができます。

6. 相手の発言にしばらく後で言及する方法

他の参加者の発言について考えているうちに議論がどんどん先に進んでしまい、その発言に対する自分の考えがまとまった頃には別の議題に入ってしまっていた、なんてこともあると思います。

そんな時は前の議題に話を戻すことで、発言のし損ないから挽回することができます。話を戻すには以下の下線のフレーズを使いましょう。

“相手の発言にしばらく後で言及するための英語表現”

Actually, before we move on any further, can we go back to talking about viruses? I believe someone mentioned that handling viruses in the lab was dangerous. But  … 

すみません、ウイルスの話に少し戻ってもよろしいでしょうか?先ほど研究所でウイルスを扱うのは危険だと話されていたかと思います。ですが・・・I’m sorry I didn’t bring this up earlier, but about the danger of handling viruses in the lab: I think …

もっと前にお話しするべきだったので申し訳ありませんが、研究所でウイルスを扱う危険性については・・・

「これだけは言っておきたい」そう思ったら、これらのフレーズを使って他の参加者に自分の意見をしっかり持ち帰ってもらいましょう。

7. 100%確証がないことを話す時の前置き

「これはまだ研究段階のことだけど、言いたい・・・」そんなこともあるかと思います。でもまだ100%確証が取れたわけではないことを100%自信を持って発言はできない・・・そう思ったら、以下の下線のフレーズを使って、発言の正確性をきちんと前置きしましょう。

“100%確証がないことを話すための英語表現”

This is still work in progress, but in my research, I am getting results that imply that my theory is right. 

まだ途中段階ですが、私の研究で仮説が正しいのではないかと思わせる結果が出ています。This is just my assumption, but perhaps getting public understanding of this research will be difficult.

これは私の推測でしかありませんが、この研究について国民の理解を得るのは難しいのでは。20-3

これらのフレーズを使って、伝えたいニュアンスを正確に表現しましょう。

8. これから英語で議論する研究者に知ってほしいことまとめ

いかがでしたか?議論の内容はその都度大きく異なるとしても、議論を自分のペースで進めるための決まり文句が変わることはありません。

これらの決まり文句を覚えておけば、議論の中身に意識を集中でき、言いたい時に言いたいことを言えるようになり、より有意義な議論をすることができます。

今回ご紹介したフレーズを含め、さらに以下のことができれば、完璧です:

“さらにこれだけ身につけておけば完璧。議論での自由に自己表現するための英語表現”

  • ディスカッションの方向性を操る
  • 感じよく割り込む
  • 相手の誤りを訂正する
  • 行き詰まった議論を棚上げする
  • 議論をまとめる

9. 英語での議論の仕方を動画で学ぶ

私の著書に以上全てのテクニックを網羅した、これから世界に羽ばたこうとする全ての理系の方のために書いた実用書があります。

フレーズを使うタイミングやニュアンス、相手の反応がわかるように、テクニック毎に会話例の動画をスマホなどですぐ見て学べる内容になっています。

東京工業大学で英語コミュニケーション科目を同大学教授たちと共同開発した経験から、この本が生まれました。

理系英会話アクティブラーニング2 テツヤ、ディスカッションしようか〜スピーチ・議論・座長編

理系の議論に必要な英語表現の他、議長を務める際に必要な英語が学べる内容になっています。出版元の羊土社のこちらのサイトで詳しい情報や章立てが閲覧できます。

議論に参加する前に本書を使って英語表現を練習しておけば、自分が納得の行く議論を自分の力ですることができるようになりますよ。次の議論、活躍を期待しています。

ブログ著者について

Kyota Ko

Kyota Ko (胡 喬太)

日本人と台湾人のハーフ。インターナショナルスクール卒業後、米Davidson大学で学ぶ。英語教師として10年の間に1000人以上のビジネスパーソンや学生を個別に教えた経験を活かし、現在は教材開発とライターの仕事を兼務する。

東京工業大学と羊土社と共同開発した理系のためのコミュニケーションに関する著書「テツヤ」シリーズを2冊出版。また、同出版社の 科学誌「実験医学」と産労総合研究所の「企業と人材」誌に連載記事を執筆する、コミュニケーションのエキスパート。




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